工場内にパーテーションを設置する際の注意点
間仕切りがない広い工場や倉庫は開放的ですが、間仕切りをすることで作業が効率的になる場合があります。
例えば、休憩室や応接室、作業スペースなどに仕切りを設置することで作業効率が向上する可能性があります。
工場の間仕切りでおすすめなのが、低コストで手軽に設置できるパーテーションです。
今回は、工場にパーテーションを設置するメリットや注意点などについて詳しく解説します。
間仕切りのない工場は、働く人たちや生産ラインの様子が一目でわかるのがメリットです。
しかし、食品や精密機器など、衛生面の管理や温度調整が必要な作業は、仕切りがないとデメリットになることがあります。
工場は法的な規制や規格に合わせて、レイアウトする必要があるのです。
しかし、工場の大規模なリフォームや建て替えは、莫大な費用がかかります。
その点、パーテーションの設置なら時間もコストも削減できます。
パーテーションの設置による問題点を挙げるとすれば、耐震性の低さです。
床と天井にパネルや支柱を設置して仕切るため、どうしても耐震性は低いものになってしまいます。
また、工場や倉庫の天井が高くて既成のパネルや支柱が使用できない場合、費用も高くなります。
その場合は、パーテーションと同じ役割を持つ「ファクトリーブース」を検討してみてください。
ファクトリーブースは、すでに天井のついたパーテーションで、天井高を気にせずブースを設置することが可能です。
一般的なパーテーションは、床と天井に支柱を立て、その間にパネルをはめ込みます。
そのため、オフィスやショップなど天井高があまり高くない場所に設置することが多いです。
一方ファクトリーブースは、広い工場の一角に独立した部屋を作ることができます。
生産に合わせて簡単に移動ができるのもメリットです。
ファクトリーブースは、喫煙室・休憩室・保冷用のバックヤード・トイレの増設などの用途で設置されています。
天井付きなので、音や臭い漏れが気になりません。
喫煙室を設置することで、工場や事務所内で簡単に分煙できるので、タバコが苦手な人も安心して働くことができます。
工場にパーテーションを設置するメリットを紹介します。
密閉された空間を作れる
工場にパーテーションを設置することで、密閉された空間が作れます。
密閉性を高めることで、音やホコリの侵入を防ぎ、快適な作業環境を作ることができます。
中や外の様子を確認できる
側面がガラスなどの透過性のある素材でできたパーテーションにすると、中の様子や外の様子を確認できる作りにできます。
こうすることで、ブースの中にいながら外の作業をチェックでき、なおかつ外にいながらブースの中に人がいるのかどうかを確認できます。
また、ブース内で火事などの異常事態が発生しても、すぐに気付くことができます。
工場にパーテーションを取り付ける時は、以下の点に注意しましょう。
パーテーションの使用目的を明確にする
工場内にパーテーションを設置する際は、使用目的を明確にしておいてください。
初めに使用目的を明確にしておくことで、どのような材質のものにすべきか、どこに設置すべきかといったことを決めやすくなります。
工場では、建物の一角やラインの途中などに個室や囲いを設置することがあります。
建物の一角に休憩スペースや事務室として設置する場合は、防音性と防塵性が高く、空調の管理がしやすいものを選びましょう。
ラインの途中に設置する場合は、ラインの形状に合わせて設計するので、レイアウトの自由度の高いものを選ぶ必要があります。
このように、どんな目的で使用するかによって、求められる性能が違うため、選ぶ製品が変わってきます。
具体的な設置場所を決めておく
具体的にどこにパーテーションを設置するかを決めておくと、導入がスムーズに行えます。
具体的な設置場所が決まっていないと、パーテーションの寸法が決まりません。
さらに、寸法が決まっていなければ、完成したスペースがどれほどの規模なのか把握できないため、予算を組むことも難しくなります。
目的に合わせて、ある程度の位置や形・大きさなどを考えてから、業者に問い合わせると、導入までの段取りをスムーズに進めることができます。
使用人数を見積もる
使用人数を見積もっておくことは、完成品を具体化するために重要です。
使用人数に比べてあまりにも小さいブースを設置すると、人で混雑して居心地の悪い空間になってしまいます。
このようなことにならないためには、想定される使用人数に比べ十分に広いスペースを確保することで、圧迫感がなくなり、中での作業が捗り、休憩場所としても快適なスペースになるでしょう。
しかし、数名しか利用しないにも関わらず、広すぎるブースを設置すると、無駄なスペースが増え、設置費用も高くなってしまいます。
なるべく予算を抑えながら快適な空間を作るには、使用人数を概算しておくべきです。
消防法を遵守する
密閉された空間を設ける場合、消防法に則った作りにしなければなりません。
法律を守るのは当然のことですが、火災などもしもの事態が起きた際に利用者の命を守るためにも、安全性の高い設計にする必要があります。
また、消防法で定められたルールは、各自治体によって異なります。
業者にすべての作業を任せる場合でも、自分で内容を確認しておくようにしてください。
遮音性が高いものを選ぶ
工場内では至る所で騒音が鳴り響いており、事務作業や休憩を妨げる要因となります。
そのため、事務作業や休憩場所としてパーテーションを活用するのであれば、遮音性の高い素材を用いるべきです。
賃貸工場は注意
パーテーションの取り付けは、工場の床や天井に穴を開けるため、賃貸の場合は注意が必要です。
通常、賃貸工場は原状回復義務が発生するため、退去する時に契約した状態で引き渡さなくてはいけません。
パーテーションを設置する前に、床や天井に穴を開けることを不動産に必ず確認してください。
パーテーションの素材の種類はさまざまで、素材によって性能が異なります。
主に、アルミ・スチール・ガラスの3種類が用いられています。
オフィスなどで多く用いられるガラスパーテーションは、採光性が高くおしゃれで人気が高いのですが、衝撃によって割れやすいため工場には不向きです。
工場では、アルミとスチールパーテーションが採用されていることが多いので、この2つの特徴をチェックしておきましょう。
アルミパーテーション
アルミパーテーションは、スチールパーテーションに比べると軽量で、設置がしやすいという特徴があります。
他のパーテーションに比べて加工がしやすいため、短期間で施工が可能です。
ただ、支柱とパネルのつなぎ目がむき出しのため、おしゃれな印象はありません。
パネルの色にこだわったり、窓ガラス入りパーテーションにしたりと工夫することで、見た目をよくすることができるでしょう。
スチールパーテーションより、防音性や耐震性が低いですが、使用目的によって問題なければ、アルミパーテーションを選ぶと一番コストを抑えられます。
スチールパーテーション
スチールパーテーションは、遮音性と機密性が高いのが特徴です。
また、アルミパーテーションより、支柱とパネルのつなぎ目が見えにくいため、デザイン性にも優れています。
パネルの色が豊富で、木目調などデザイン性の高い商品もあります。
アルミに比べるとコストや施工期間はかかりますが、耐震性は高いので工場に設置するパーテーションに向いています。
工場にパーテーションを設置することで、今まで以上に作業効率が上がり、生産性の向上も期待できるでしょう。
パーテーションといっても、素材や設置方法によってコストや機能性が大きく異なるため、使用目的を明確にして、どの種類がいいのか見極める必要があります。
パーテーション・間仕切り工事を検討されている場合は、弊社までお気軽にお問い合わせください。